切り絵の歴史を知ればわかる?

こんにちは!!切り絵を制作しているMyu-aです。
日本では切り絵という言葉が認知されて久しいですが、
切り絵は古来から農民に親しまれてきたものです。
そんな切り絵のルーツを紐解いていきましょう。
切り絵はインド発祥とされており、シルクロードを渡ってヨーロッパや、
中国にやってきたそうです。その後中国から海を渡り、日本に広まったと言われて
います。
・インド
インドで切り絵は神聖な祈りの儀式として使われていたそうです。

・中国
中国で有名なのはなんと言っても剪紙(せんし)。
剪紙は、紀元前16世紀~前11世紀まで遡ります。
当時の切り絵には木の葉や皮、絹や金属片が材料に用いられていました。
紀元前202年~208年に紙が発明されて以降、切り絵は様々な技術の発展を遂げてきました。
剪紙は農民に長く伝承され、室内装飾や、衣装図案に愛用されてきました。
特色豊かなモチーフはその土地柄を象徴していることでしょう。
お祝い事などにも使われる剪紙は、花、鳥、獣、虫、魚、人、景色、穀物、器具文字などデザインも多岐にわたります。
中でも動物をテーマにした作品が大きく占めています。
剪紙は、2009年無形文化遺産に指定されています。

ヨーロッパでは農家の女性が冬の間室内で楽しむものとして、趣味で切り絵が広まったそうです。
・ポーランド
ポーランドにあるウォヴィチ地方は、切り絵発祥の地として有名です。
ここの切り絵は、ヴィチナンキと呼ばれていて18世紀のポーランドの農民が羊毛ばさみ
でデザインを切り抜いたのをきっかけに今の切り絵に発展しました。
カラフルな色紙を使い、羊毛ばさみで鳥や植物を形作っています。
家畜や草花、伝統的な結婚式や生活風景など、素朴な農村風景と言う色彩豊かな切り絵は、絵本に出てくる世界を連想させ、物語が好きな方にはたまらないものでしょう。

・スイス
中世の時代から親しまれており、19世紀初頭、ペンダオー地方で多くの芸術家たちが誕生したことから広がりを見せました。
白または黒の紙に下絵を描き、小さなカッターナイフやはさみを使って、まるでレースのような繊細な模様を作り上げていきます。
森、小屋、動物たちといったアルプスの情景をテーマに、左右対称にデザインされたものが主流です。
機械のように精密な模様で切り抜かれた切り絵はとても人の手で切ったとは思えないほどの細かさで見惚れてしまうほどです。

・メキシコ
ヒスパニック時代、メキシコではアマテ紙と言うクワやイチジクの樹皮で作られた
紙を吊るして寺院や集会所の装飾に使い、宗教的な祭礼や儀式を行っていました。
それからしばらくして1700年代に、中国から薄紙(パペルデチナ)と言う薄くてしなやかな紙が輸入されるようになりました。
その性質から一度に何枚も折ったり切ったりして精巧な装飾を施すことが可能になり、メキシ コのキリスト教の祭礼で使われるようになりました。
ノミとハンマーを使って製作されるパペルピカドは、一度に何十枚もの紙を重ねて装飾していくので切り絵と言うより、穴をあける、刻む、打ち付けると言ったようなイメージでしょうか。
このパペルピカドはクリスマス、結婚、お祝い事に用いられますが、一番有名なのはディズニーの映画にもなった「リーメンバーミー」死者の日の装飾品として骸骨のデザインが印象的です。
メキシコのプエブラ州でウィスコロトラの人々が作るパペルピカドは文化遺産に指定されています。

・日本
古来より神様を祭るのに切り絵が用いられていたそうです。
江戸時代には「切り紙」と呼ばれるハサミと紙を持って、軽快なトークでハサミを自由自在に動かし、動物などの形を切り抜いていく芸能も人気でした。
また、 日本では染物の型の下絵として切り絵が使われています。
沖縄紅型、型友禅、伊勢型紙、江戸小紋が知られています。
職人の技が光るデザインは、着物が好きな外国人にも人気でしょう。
近年では切り絵協会ができ、様々な切り絵作家さんが個性あふれる作品を生み出していることでしょう。

・まとめ
切り絵は一枚の紙を下絵の形に切り抜い絵画アートの一つ。
インドから広まった切り絵は、農民たちによってその土地柄にあったデザインが生みだされ、世界中の人々に広く親しまれていることがわかりました。
まだまだ調べればいろんな国の切り絵に出会えることでしょう。
切る道具はその土地柄によって違えど、国々の土地を表現している切り絵は、共通して愛すべき伝統工芸だということが垣間見えました。











・インド
・中国
・ポーランド
・メキシコ
・スイス
・日本
・まとめ